小樽商科大学 グローカル人材育成機能の強化:多様な長期学外学修プログラムの構築と ギャップイヤーを導入した新たな主専攻コース「グローカルコース」の設置
テーマⅣ「長期学外学修プログラム(ギャップイヤー)」
事業期間:2015年度~2019年度
【取組の概要】
グローバルな視点から北海道経済の発展に貢献できる人材(グローカル人材)の育成機能を強化するため、地域・産学官と連携したPBLや長期実践型インターンシップの拡大、海外語学研修や海外教育プログラムの充実を図り、先進的なアクティブラーニング教育手法により多様な長期学外学修プログラム(「グローバルブリッジ教育プログラム」と「地域連携ブリッジ教育プログラム」)を構築している。また、長期学外学修を前提としてクォーター制を本格導入したカリキュラム編成や、入学猶予制度を基礎とした本格的なギャップイヤープログラムの構築により教育改革を加速しており、2021年度にはクォーター制及びギャップイヤープログラムを導入した新たな主専攻コース「グローカルコース」を設置する。さらに本取組により蓄積したノウハウをグローバル社会における地域人材育成のモデルケースとして社会に発信し、具体的な手法や成果の普及を図る。
【取組のポイント】
➢長期学外学修を前提とした新たな主専攻コースの設置
➢クォーター制の導入による学事暦改革
➢入学猶予制度を基礎としたギャップイヤープログラムの構築
➢長期学外学修プログラムの教育効果の測定・検証
➢グローカル人材育成の成果や具体的手法の社会への情報発信
【キーワード】
「入学猶予制度」、「学事暦改革(クォーター制)」、「グローカル人材育成」 、「長期学外学修プログラム」
【人材育成目標】
小樽商科大学は、国際的視野と専門知識及び豊かな教養と倫理観を備えた社会の指導的役割を果たす品格ある人材を育成するため、広い視野で社会の諸課題を発見、考察し解決策を構想する力の涵養を目指す実学教育を展開するとともに、地方国立大学として地域に開かれ地域経済の活性化に貢献する大学を目指し、建学以来100
年余、「実学・語学・品格」をモットーとした実学教育及び実践的研究を展開してきた。グローバル時代の地域マネジメント拠点として2013年8月には「No.1グローカル大学宣言」を行い、豊かな教養と外国語能力を基礎とした深い専門知識を有し、グローバルな視点から地域経済の発展に貢献できる人材「グローカル人材」の育成を目指し、教育改革を推進している。
【教育上の課題】
「グローカル人材」育成のため、長期間の学外での多様な社会経験が、修学動機の明確化やタフな学生の育成の観点から有効である。より教育効果の高い体系的な長期学外学修を取り入れたカリキュラムの設計にあたり、地域・産学官と連携したPBL、サービス・ラーニングなどに関しては、地域のニーズが多様化していることから、より実践的なプロジェクトや長期実践型インターンシップへの拡大を目指す上で、カリキュラム体系ならびに教育支援の体制の充実・強化が必要であった。また、海外の大学に留学したり長期間のインターンシップに参加したりする際に、春秋セメスター制度の学事暦が各国の海外協定校と入学時期が異なるなどの状況を踏まえ、より柔軟な教育プログラムを組むことが望ましい状況であった。
【これまでの取組、実績・成果】
<取組>
グローカル人材育成機能強化を目指し、2015年度に導入した「グローカル・マネジメント副専攻プログラム」における、教育効果の検証(海外留学の重要性、留学生と共にビジネス・経済を英語で学ぶことによる教育効果)を踏まえ、副専攻プログラムを発展させた新たな主専攻コースとして、「小樽商科大学グローカルコース」を2021年度から導入することを決定した。
新たな「グローカルコース」は本事業における以下の取組・改革により構築したグローカル教育を柱としている。
○グローカル戦略推進センターの設置
2015年4月、北海道における人材育成機能及びシンクタンク機能をミッションとした教育研究支援組織「グローカル戦略推進センター」を設置した。本センターを中心とした全学的な教学マネジメントの下で、多様化する地域のニーズに対応できる教育支援体制を整備するとともに、「グローカル・マネジメント副専攻プログラム」を発展させ、グローカル人材育成機能を強化した。
○長期学外学修プログラムの拡大・充実
地域や海外の大学との連携により、大学内外での学びの橋渡しの役割を担う「グローバルブリッジ教育プログラム」及び「地域連携ブリッジ教育プログラム」として、本学での事前・事後授業と海外研修を組み合わせた科目や、地域の課題発見・解決に取り組むPBL型授業、留学生と共に地域ボランティアに取り組むインターンシップ等の科目を新設・体系化し、長期学外学修プログラムを拡大・充実した。
○クォーター制の導入
「グローカルコース」の科目編成の基盤となる「グローバル教育科目」全体をクォーター制で実施し、留学やインターンシップといった学外学修に参加しやすい環境を整え、より体系的で教育効果の高い長期学外学修プログラムの展開を可能とした。
○ギャップイヤープログラムの試行実施
全国的にも前例のない1年間の入学猶予を行う「ギャップイヤープログラム」の具体的な制度設計を行い、派遣先であるハワイ大学カピオラニコミュニティカレッジと学生交換協定を締結した。2018年度に試行的に1名を派遣し、その際の改善点を2019年度からのプログラムに反映させることとしている。
<実績・成果>
・長期学外学修を前提とした新たな主専攻コース「グローカルコース」の導入決定(2021年度)
・グローカル戦略推進センターの設置
・長期学外学修プログラム拡大・充実
・クォーター制の導入による学事暦の最適化
・ギャップイヤープログラムの構築・試行実施
【今後の取組の計画】
2021年度の「グローカルコース」の導入を見据え、「グローカル・マネジメント副専攻プログラム」修了生の追跡調査を継続することにより、教育プログラムの質保証・質向上に資するプログラム評価を実施し、「グローカルコース」の具体的なカリキュラムや運用体制の構築に生かしていく。
2018年度に試行実施したハワイ大学カピオラニコミュニティカレッジでのギャップイヤープログラムについて、2019年度からは、入試合格者のうちギャップイヤープログラム参加者を選考(5名以内)し、入学猶予を適用する。参加者は海外留学プログラムを受講し、事後の振り返り学修等を行った後、
2020年4月に本学に入学する。「グローカルコース」を導入する2021年からは、1年間の海外留学プログラムによるギャップイヤープログラムを本格実施する予定である。
さらに、教育効果評価システムを確立し、今後のカリキュラム改革に向け、長期学外学修の学修成果と成長の可視化を行い、教育効果の検証を進め、教育効果測定並びに分析をさらに深化させていく。
【本取組における成果と社会へのインパクト】
●新たな教育課程「グローカルコース」の導入(2021年度)
●全国的にも前例のない1年間の入学猶予制度の構築
●長期学外学修の教育効果の測定・検証による実践的なアクティブラーニング手法の開発・普及
●グローバル社会における地域人材育成のモデルケースとして、社会への情報発信及び初等中等教育への具体的な手法や成果の普及
【本取組の質を保証する仕組み】
本取組の評価体制は、地方公共団体、高等教育機関、産業界の有識者により構成される外部評価委員会を組織している。毎年度上半期までの進捗状況をまとめた「中間実績報告書」及び年度末までの「実績報告書」により、外部評価委員会において意見聴取を行っている。外部評価結果は各項目における評定のほか、分析・評価コメントが付されており、得られた提言等は本取組の実施に反映させている。
なお、外部評価結果は「外部評価報告書」としてまとめられ、本学のウェブサイト(https://www.otaru-uc.ac.jp/summary/inspection/education_evaluation/)で公開し、社会へ発信している。
具体的な実施計画における指標 |
2015年度
(起点)
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2017年度
(実績)
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2019年度
(目標)
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長期学外学修プログラムに参加する学生の割合 (グローバルブリッジ教育プログラム) |
11.6% |
13.2% |
20.0% |
長期学外学修プログラムに参加する学生の割合 (地域連携ブリッジ教育プログラム) |
10.3% |
11.2% |
20.0% |
学生が企画する活動数 |
3件 |
5件 |
10件 |
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