大学教育再生プログラム(AP) テーマⅠⅡ複合型

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崇城大学 アクティブ・ラーニングの基礎となる自律学修マインドを醸成 ~学生の自律学修マインド育成と単位の実質化~

テーマⅠ「アクティブ・ラーニング」

事業期間:2014年度~2019年度

【取組の概要】

 本学では、グローバル技術者育成を目指し、2010年度より15名に及ぶネイティブ教員による英語教育施設(SILC)を立ち上げた。また同時にアクティブ・ラーニング(AL)のためのSelf-Access Learning Center(SALC)を設置して教員を配置し、独自の英語教育自律学修プログラムを構築してきた。全学学生数約3,500人の内、SALC利用者数は4年目で当初の10倍以上の約18,000人/年まで増大し、学生の自律学修マインド育成に貢献してきた。このSALCで培ったノウハウを全学に普及させるために、本学ALの拠点となる全学SALC及び学科SALCを設置する。また、これらのSALCにおいて、個々の学生の自律学修を促し各専門科目の講義と図書館利用を連携させるファカルティーデベロッパー(FDer)と学生ファシリテーターの育成を目指す。図書館の入退館システムと連動させて、学生の自律学修時間を把握し、単位の実質化をはかる。

【取組のポイント】

➢ アクティブ・ラーニングに対応できる学科SALC環境の整備
➢ 学生ファシリテーター・留学ファシリテーターの養成
➢ 錬成会によるファカルティデベロッパーの技量養成
➢ ファカルティデベロッパーらの協力によるアクティブ・ラーニング授業の増大
➢ 全学SALC・学科SALCでのファカルティデベロッパーと学生ファシリテーターによる学生の自律学修支援
【キーワード】
「アクティブ・ラーニング」、「自律学修」、「学習アドバイジングスキル」、「学生ファシリテーター」

【人材育成目標】

 全学科にSALCを設置し、学生の自律学修を支援するとともに、アクティブ・ラーニングを行うことのできる環境を整備した。また、ファカルティデベロッパー(FDer)にSILC/SALCで培った「学習アドバイジングスキル」を錬成会で身に付けさせ、学生の主体性を引き出す学修支援を全学SALC/学科SALCにてできるようにした。引き続き、授業で出された課題に対し、積極的にFDerや学生ファシリテーターに相談し、全学SALC/学科SALCを利用して取り組み、FDerが中心に、ICTを活用して自宅で自律学修が可能なアクティビティを開発し、アクティブ・ラーニングを促す。アクティビティの成果は成績に反映させる。

【教育上の課題】

 本学では、アクティブ・ラーニングを導入した授業科目の割合及びアクティブ・ラーニングを受講する学生の割合が本事業がスタートした2014年度時点より増加していることから、アクティブ・ラーニングの取組が浸透していることが伺える。しかしながら、同時に教育改革の一環として学部教育の見直しを行っており、その中で必修科目の数も増加していることから、必修科目中でのアクティブ・ラーニングの割合が計画通り伸びていないことが課題である。また、これらの取組によって、学生の主体性がどのように伸びているかを、客観的に評価しうる指標の構築が課題であると思われる。現在、すべての科目の学修到達度目標に対する学生の振り返り(ポートフォリオ)を実施しており、このポートフォリオの結果とアクティブ・ラーニング導入との相関を各教科にフィードバックすることによって、アクティブ・ラーニングのさらなる普及に努めたい。

【これまでの取組、実績・成果】

<取組>
 英語教育の自律学修施設SALCの利用者が増大したノウハウを、他の教養科目・専門科目に普及させ、学生の自律学修マインドの醸成を図るために、各学科に学科SALCを設置した。また、そのノウハウの一つに学生との対話を通じて、学生の自律学修を支援する「学習アドバイジングスキル」があり、これをFDerを中心とした錬成会によって、専門学科の教員等に普及している。さらに、FDer錬成会には、学生ファシリテーター(後輩学生の自律学修相談にのる先輩学生)が参加し、アクティブ・ラーニングを実施する上での教員の視点と学生の視点が共有できるようになった。これらの取組の結果、アクティブ・ラーニングがより効果的かつ効率的に実施されている。さらに現在、もう一つのノウハウである学生の習熟度に応じて、学生が課題を自分で選択できる各科目のアクティビティーの普及を図っている。また、2018年度より崇城大学教育刷新プログラムを独自に開始し、全科目のシラバスに記載されている学修到達度目標に対して、学生がどの程度目標が達成されたかを振り返るSOJOポートフォリオを実施する。この教育改革を「学生の自律学修マインドを醸成する」本AP事業と連動させることによって「学生が何を学んだかではなく、何ができるようになったか」を常に振り返り、学生の主体的な学びを育むことを目指している。
<実績・成果>
●学生の主体的学びの意識改革に成功
●学科SALCを利用した学生の自発的な学習サークルの発足
●学科横断型の「教職サークル」の活動により、現役の教員採用試験合格者をAP事業採択後ほぼ毎年輩出
●大学公認の起業部が発足し、学生が課外活動としてビジネスプランを練り、コンテストに応募、文部科学大臣賞を受賞
●第6回全国英語プレゼンテーションコンテストで文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞
●課外活動や研究活動、ボランティア等で主体的に活躍した学生を表彰する「学長賞」を設置

【今後の取組の計画】

<取組の計画>
 2018年度から実施予定の崇城大学教育刷新プログラム(SEIP-Ⅱ)の中で、個々の学生の学修状況を把握し、授業を振り返らせPDCAを回すための4つのSOJOポートフォリオを稼働させる。このポートフォリオの中に、全授業科目を対象とする「学修到達度ポートフォリオ」を設定し、シラバスの「到達度目標」の学生自身による自己評価レポート項目を設ける。この振り返りの中で一部ルーブリックを活用する。この取組によって,学生自身にどこまで主体的な学びができたかを振り返らせ、それを教員のFD活動にも利用する。

【本取組における成果と社会へのインパクト】

●近隣の大学との連携協定を締結し、本取組で行っているFDer錬成会を共同開催
●語学教育での主体的学びのノウハウである「学習アドバイジングスキル」を本取組によって、理系の各専門分野に適用可能なスキルに発展普及させることが可能になる。
●理工系の学生の主体性を育てる観点で、大学と高等学校の視点を共有(特にSSH採択校との連携開始)
●本取組の発展として、全学科全教科目で本学独自の学修到達度ポートフォリオによる振り返りを実施し、アクティブ・ラーニングとの相乗効果で各科目の単位の実質化をはかると同時に、「学生の主体性を醸成する」学修PDCAサイクルを確立し、社会への普及をはかる。
●英語教育の中で培われてきたSALCという概念と学修環境とそのノウハウを他の教養科目・専門科目へ普及するための取組
●特別講演会の開催(学外に向けて発信)

【本取組の質を保証する仕組み】

<報告書の発行および外部評価>
 年度末に「崇城大学大学教育再生加速プログラム取組報告書」を発行し、各年度の取組内容について振り返り、本取組の進捗状況を適切に評価するため、外部評価委員として大学及び企業から2名に参画していただき、事業評価を実施している。
具体的な実施計画における指標 2014年度
(起点)
2017年度
(実績)
2019年度
(目標)
AL(アクティブ・ラーニング)を導入した授業科目数の割合 12.2% 21.0% 25.0%
ALを受講する学生の割合 58.7% 95.3% 100%
学生1人当たりAL科目受講数 1.5科目 4.0科目 2.2科目
ALを行う専任教員数 35.6% 63.2% 60.0%
学生1人当たりのAL科目に関する授業外学修時間(1週間あたり) 2.3時間 5.0時間 4.0時間
アクティブ・ラーニングに関するFD受講者数 16人 167人(実数) 23人
優れたリーダーシップを持つ学生の養成数 289人 899人 900人